適材適所

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コンサータはADHDの症状の一部をおさえるための薬にすぎず、この障害を根本治療してくれるわけではありません。そもそもこれは治るものではない。

それでも私はたまに服用したいので処方してもらっていますが、これを飲んだからといって忘れ物や先のばしはなくならないし、計画性が上がるとか、判断力が上がる、といった効果は個人的に感じていません。やるべき課題が決まっていて、もくもくと作業したいときなどに使います。

診断をうけた頃は水商売をメインに生計をたてていて、仕事ではほぼ毎日お酒を飲んでいました。なのでお酒と一緒に服用できないこの薬は、前もって仕事や飲みの予定がない日を決め、掃除や洗濯などの家事がたまりにたまった祝日を選んで使っていました。

よってコンサータの力を職場で発揮させたことはありません。(今思うとこれでよかった)

会社勤めだったり学生の場合、月〜金に服用して土日は休薬日にしている方が多いのではないでしょうか。私はというと、月〜金はお酒を飲むので基本土日は休肝日にしていて、コンサータの服用は月に1〜2回程度。飲まない(タイミングがなく飲めない)月もありました。

もしこのとき昼の仕事しかしていなかったら、「周囲の足をひっぱりたくない」「仕事の遅さやミスの多さでこれ以上信頼を失いたくない」といったプレッシャーに負け、そのときとは真逆のバランスで“組織のための服用”をしていたでしょう。

どんな薬もそうですが、やはりコンサータにも副作用は多く、体に負担がかかります。

たしかに自分の失敗のせいで仲間の仕事が増えてしまったり、先輩や上司の評価を下げてしまったりするのはつらい。でもそれは、今の自分の健康をけずってまで克服しなきゃいけないことでしょうか。高いお金を払って依存するかもしれないリスクをとりながら服用を続け、それでも働く価値のある職場でしょうか。

少なくとも私が今までやってきたのは全部そんなものではなかったです。ちょっとまわりを見渡せば自分よりはるかに適任な人材が秒で見つかる仕事ばかりでした。

多くの人が呼吸するのと同じくらい簡単にできるようなことが、私には難しかったりしたので、同じ仕事なら呼吸するようにできる人にやってもらうのがベストだと思います。それを薬にたよって無理をしながらようやくできるようになったとて、結局自分にとっても職場にとってもコスパが悪い気がします。

もし自分より適任な人材が秒でみつかるその仕事が、どうしてもやりたいことで、まわりに迷惑をかけようが開き直れる鉄のメンタルがあれば話は別ですが・・・

とはいえ自分にしかできない仕事を見つけなきゃいけないとも思いません。

そしてここまでこんなことを書いている私は無職です。

たまたま今はパートナーに食わせてもらっているので、合わない仕事もせずに済んでいます。ふざけているかもしれないですが、今までかたくなに自立にこだわっていたのでこれを選択する勇気も必要でした。運がよかったといえばそれまでですが、降ってきた運を払いのけられるほど一人前でもありません。

使えるものは使っていきます。

コンサータもたまに使います。自分のために。

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